COTTON JOURNALものづくりストーリー

花酵母をビールに!わたのぶりゅ〜ができるまでの物語[vol.2]

前回のブログでは、アバンティ代表の奥森秀子より、「どうしてオーガニックコットン屋がビールを作ることになったのか?」をお伝えしました。


今回はアバンティ未来課スタッフより、見つかった花酵母がどのようにして製品化に至ったのか、3年がかりの開発の様子をお届けいたします。

東京農業大学の研究室へ

2025年9月、私たちは東京農業大学の研究室を訪れました。数岡孝幸教授と、研究室4年生の藤田伊吹さんにご協力いただき、私たちが育てた国産綿の花から採取した「花酵母」を用いた試験醸造を行います。

左)東京農業大学 応用生物科学部・数岡孝幸教授   右)東京農業大学 応用生物科学部の4年生・藤田伊吹さん
左)東京農業大学 応用生物科学部・数岡孝幸教授 右)東京農業大学 応用生物科学部の4年生・藤田伊吹さん

わたのぶりゅ〜開発の様子

そしてついに奇跡的に出逢えた花酵母が、こちらが「サッカロマイセス・セレビシエ」です。初めて聞いた時は、とっても覚えにくいと思いましたが、今ではみんなスラスラと言えるようになりました。


研究室で見せていただいた寒天状の試薬瓶には、「kt0666」という番号が記されていました。これは、なんと666回目の検査でついにこの酵母が見つかった証。「kt」や「nt」という記号は、粘り強く酵母を探し続けてくださった卒業生の方々のイニシャルなのだそうです。どれほどの情熱と挑戦が注がれてきたのかを知り、深く胸が熱くなりました。

いよいよ試験醸造が始まります

試験は、酵母が発見されたときの環境が25〜35℃であったことから、この温度帯に適した「ペールエール」のスタイルで仕込みます。

わたのぶりゅ〜 花酵母研究様子
わたのぶりゅ〜 花酵母研究様子
わたのぶりゅ〜 花酵母研究様子
わたのぶりゅ〜 花酵母研究様子

お湯の中でホップがゆっくりとほぐれると、ふわっとフレッシュで心地よい香りが研究室を満たします。麦汁の代わりに砂糖を加えて混ぜ合わせ、一つひとつの工程で温度や数値を丁寧に計測していきます。

わたのぶりゅ〜 花酵母研究様子
わたのぶりゅ〜 花酵母研究様子

出来上がった液体を瓶へ注ぎ、無菌状態を保つ「クリーンベンチ」の中で、慎重に酵母を入れます。

一週間、糖度の変化を見守りながら発酵を待ちます。酵母が糖分を食べることで糖度が下がり、アルコールへと変化すれば成功です。途中で炭酸ガスを発生させるための糖分(プライミングシュガー)を加える工程を終え、私たちは「無事に発酵しますように」と祈るような気持ちで研究室を後にしました。

産まれたての、驚きの味わい!

一週間後、期待と少しの緊張を胸に、再び研究室を訪れると、わたの花酵母は瓶の中で無事に発酵を遂げていました!研究室でさっそく出来立てのテイスティング(官能評価)を行います。

わたのぶりゅ〜 花酵母研究様子
わたのぶりゅ〜 花酵母研究様子

奥森は普段お酒は飲まない(飲めない)のですが、「飲まないからこそ、味覚と感覚が研ぎ澄まされているはず!」とテイスティングに挑みます

白いわたの花酵母ビール

まずは、白いわたの花酵母で仕込んだビールを一口。

そこには、今までに出会ったことのないほど優しく上品な風合いが広がっていました。まさに「ふんわりとした綿」を思わせる軽やかさ。それでいて華やかさもあり、どこか懐かしい麹のような奥ゆかしい香りに思わず感激してしまいました!

緑のわたの花酵母ビール

続いて、緑のわたの花酵母で仕込んだビールを試飲。先ほどとは全く異なる味わいに驚かされます。深いコクと複雑なニュアンスがあり、「なにこれ、美味しい!」と思わず声が上がりました。同じ綿であっても、その「色」の違いによって酵母の個性や味わいがこれほど変化するものなのか――。

独自の個性が光る、ふんわりとした味わい

今回の試作では、一般的なビール(アルコール度数4%以上)に比べて度数が低く、そのぶん糖分が残る仕上がりとなりました。しかし、一般的なビールと比較してみると、その違いこそがこのビールの魅力であると気づきます。残ったほのかな甘みが、まるで綿そのもののような「ふんわりとした口当たり」と「不思議で優しい香り」を引き立てていたのです。

アバンティと東京農業大学との共同研究の様子
アバンティコットン倶楽部の圃場で咲いた花から酵母の採取を依頼した、東京農業大学の数岡教授
アバンティと東京農業大学との共同研究の様子

テイスティングを終え、数岡先生から「これで、いよいよ製品化に進めますね」とお言葉をいただき、スタッフ一同ホッと胸を撫でおろしました。

量産醸造をしていただく、ブルワリー探しへ!

ここからは、実際に量産を行ってくださるブルワリー(醸造所)探しが始まりました。

花酵母を使ったビール作りを行えるお先を探して、ブルワリーを5社ほど回りました。たくさん時間をかけて探しましたが、最終的には東京・二子玉川で生まれたローカルクラフトビールを製造販売する株式会社「ふたこ麦麦公社」で製造していただくことに!

アバンティとふたこビール ビール開発の様子
アバンティとふたこビール ビール開発の様子

ふたこさんに決めた時は、あんなにブルワリーを探しあぐねていたのに、奥森は訪問して話してみてその場で即決!と思ったそうです。(ちゃんと会社に帰ってみんなと相談した上で決定しました)

あまりの即決だったので、後日どうしてだったのか奥森に聞いてみたところ、代表の市原 尚子さんとお話しをしてみて、ものづくりへの素直な思いを持っていて、あったかい心を持っているお人柄に「びびっと!」きたそうです。

実際に「白いわたの花」「緑のわたの花」の花酵母を使い、量産サンプルを醸造します。

サンプルは量産で使うよりも小さな窯で行います

大切に運ばれてきた花酵母です。

なるべく刺激を与えないように、東京農大に直接受け取りに行きます。

ふたこさんは、わたの花酵母の個性を最大限に生かし、鮮度が大切な生の国産ホップを使うことなど、一般的なビールよりも手間のかかる製法を実現するために、ともに話し合いながらレシピを考えてくださいました。

いよいよ量産サンプルが完成!みんなで試飲

わたのぶりゅ〜社内試飲会の様子
わたのぶりゅ〜社内試飲会の様子
わたのぶりゅ〜社内試飲会の様子
わたのぶりゅ〜社内試飲会の様子

完成した試作品が届き、みんなで試飲します。

びっくり!麹のような優しくたおやかな香り、柔らかく、まさしく白い綿をイメージできるような味わい!

グリーンは奥ゆかしいコクがある!バナナのような爽やかな酸味。なんて表現したら良いんだろう。。


「ホワイトは何もいじらなくて良い、美味しい!」

「飲みやすい!たくさん飲んでしまいそう。食前酒としてじゃましない。」

「ホワイトとグリーン、味も色も、違う!」

「グリーンはもっと泡持ちや発泡を足す?」

「緑はもっと個性をだしたいよね」など

それぞれ飲んだ感想をまとめて、いよいよ量産醸造本番に向かいます。


こちらの量産本番では、アバンティコットン倶楽部のメンバーである滋賀県にある「ホリバファーム」さんで収穫していただいた「国産生ホップ」が入るという、とっても贅沢な製法になります。


綿畑に咲く一輪の花から始まったストーリーは、私たちの国産綿復活への思いだけではなく、たくさんの人の情熱と時間を経て、やっと「一杯のビール」としてみなさまの元にお届けすることができます。


完成品はいよいよ、9月11日(金)より店頭に並びます。プリスティンの30歳の誕生日には、インスタライブで!みなさん一緒に乾杯しましょう!

プリスティン本店・吉祥寺店 9月11日(金)より発売

オンラインショップ 9月1日(火)より先行予約開始

9月11日(金)よりデリバリー開始となります。


やっとやっと!形になったわたのぶりゅ〜。

わたの花から生まれた2つの味わいの違いを、ぜひプリスティンを愛してくださるみなさまに、お楽しみいただけると嬉しいです。特集ページよりぜひご購入くださいませ。



はじまりは土、そして種。

It starts with the Soil and the Seeds.

アバンティは 大地から再生まで、オーガニックコットンのすべてを シームレスにつなぐ企業です。

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