ついに綿のび~るができました!「わたのぶりゅ~」物語
なぜオーガニックコットン屋のアバンティがビールを?!
こんにちは。アバンティ代表の奥森秀子です。
ご存じの通り私どもの会社は創業42年を迎えるオーガニックコットン屋です。では、なぜそのアバンティが、ビールを?いえ正しくは発泡酒なのですが、造ることになったのかをお話させていただきます。
衣料製品自給率1.1%の現実
私たちが毎日使う衣料製品の自給率は何と、1.1%!100人に一人しか日本製を使用していないということです。さらに、そのもとなる原料といえば、オーガニックコットン、一般綿、シルク、ウール、麻の天然繊維は勿論のこと、ポリエステル、レーヨン、アクリル、すべての原材料を輸入に頼っています。最近ナフサ問題で日本でも大騒ぎになっていましたが、そのナフサから繊維製品の70%が作られているとも言われています。
国産綿栽培の課題
この深刻な課題に対して、アバンティでは2012年より、原料の自給率を少しでも上げることを目的に国産綿復活プロジェクトを始めました。2021年からは、我々の生業のもとである綿を国内で栽培し、プリスティン製品への国産綿混用率2%にすることを目標に、「アバンティ国産綿プロジェクト」を立ち上げ、全国8圃場のメンバーとの国産綿栽培が始まりました。みなさんが栽培して下さった綿をアバンティが買取りをする仕組みで、6年目となった今や全国49圃場のみなさんがメンバーとして栽培に取組んで頂き、2026年は1500㎏を目標にするまでに至りました。
しかしながら未来を予測するほどに、収益性という壁が栽培者のみなさん、そして我々を悩ませ始めました。そうなのです。その大きな問題を解決しない限りは持続可能な国産綿花栽培をすることはできない、ということに気づきました。
(かつて綿の国だった日本からも綿づくりが消え、アバンティがオーガニックコットンビジネスを始めたころは、アメリカやオーストラリアが一大産地でしたが、今や完全に途上国へと移っています。)
そこで、そうだ綿の花から酵母を取ってパンをつくろう!とひらめいたのです。その酵母を取るには誰にお願いをすればよいのかを探し始め、たどり着いたのが花酵母の権威がいらっしゃるという東京農業大学でした。あたって砕けろ!というDNAが騒ぎ、気がつけば東京農大の数岡先生のもとを訪ねていました。
いざお話を聞いてみると、数岡先生からは「酵母がみつかればパンだけでは無くビールも造れます。」と!
会社に戻り「パンだけではなくビールもできる!」と伝えたところ一斉に歓声と拍手が起こりました。(私は下戸です。ビールではなくパン派だったのですが・・・。)
そこで方向転換! パンでは無くビールを造ることに。
さあ~、花を採取して農大に送ることに。これがとても大事なミッションです。
それを引き受けて下さったのが、アバンティコットン倶楽部発足時から共に栽培してくださっている、栃木県佐野市の川田オーガニックファームの晴美さんでした。コットンは夏に大輪の花を咲かせます。2023年の夏、一番暑い盛りのときに大粒の汗をながしながら、一輪一輪をやさしく採取しジップロックに入れて、クール宅急便でせっせと農大に送って下さいました。そうしてアバンティと東京農大による共同研究がスタートしました。
急いては行けません。落ち着いて!
数岡先生からは「綿の花は午前に花が咲き夕方にはその花びらを一日で閉じてしまうために、ひまわりのようにずっと咲き続けている花より酵母が見つかる確率は低いです。10年かかっても採れない場合があります。」と教えて頂いてましたので、何年もの時間のかかることは覚悟をしていました。
しかしながら花を送ってしばらくした2024年のある日に、数岡先生から「一日しか咲かない花にも関わらず、今まで経験のないほど多くの菌株が採取できました。」との報告が!みんなと飛び跳ねて喜びあったのを覚えています。(写真はたくさん見つかった幾多の酵母のデータです。)
ですが、喜ぶのはまだ早かったのです。
その菌株の中から、舌を噛み切るかと思うほど言いにくい「サッカロマイセスセレビシエ」というビールになりうる酵母を見つけ出す必要があったのです。
そして本当にビールになりうる発酵力を持つ酵母かどうかを見極めるための根気のいる試験が始まりました。菌に糖を食べさせアルコールを生み出せるか、温度帯や発酵の進み方を様々な試験で検証していただきました。
ついにGOOD NEWSが!
探す作業から約2年、2025年7月14日ついにGOOD NEWSが届いたのです。「綿の花から、ビールを造ることができるサッカロマイセス・セレビシエが見つかりました。試験醸造へ進みます」
あまりの嬉しさに喜ぶ姿をご覧になり、「まだまだ!落ち着いてください。本当にビールができるかどうかは研究室での試験醸造をしてからです。」と優しく諭されたのでした。
次回は
いよいよ次回は、大学の研究室にて、わたの花から見つかった酵母を使って「試験醸造」に挑む様子をお届けします。
はじまりは土、そして種。
It starts with the Soil and the Seeds.
アバンティは 大地から再生まで、オーガニックコットンのすべてを シームレスにつなぐ企業です。









