草木染めができるまで
私たちの製品がみなさまの手元に届くまでには、様々な人の想いを渡ってゆきます。今回は【薬剤染色をせず】自然な色表現を施す、草木染めの様子をご紹介します。
オーガニックコットンを、自然なままで。
素材本来の健やかさを活かしながら、日本の職人技によって生まれる私たちの製品。
- 和紙コットンツイルシリーズ
- シャドウチェックシリーズ
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フロストコットンプルオーバーシリーズ
など、プリスティンの草木染めのものづくりを支えてくださっているのは、大阪府和泉市にある「WUY -ワイ-」の山里章悟さん、山里歩美さんご夫妻です。
住宅街にひっそりと佇む、愛の詰まった染め工房
章悟さんが生まれ育った場所にある、古い倉庫を自らフルリノベーションして作られた工房。一歩足を踏み入れると、「いい香り!」と思わず声が漏れました。木の温もりと草木の柔らかな香りや、フルーツの甘い香りに包まれます。テーブルには果物や植物が並び、まるで素敵なお宅のキッチンにお邪魔したような気分です。
壁に飾られているのは、学校帰りにふらっと立ち寄る近所の子どもたちが描いたイラスト。お二人の気さくで温かなお人柄を映し出すかのような、境界線のない、心地よい空間が広がっています。私たちがプリスティンの製品を手に取ったとき、ふと「あ、いいな」と心が緩むのは、この空気感そのものが製品に宿っているからかもしれません。
この日は「和紙コットンツイルパンツ」の染色が行われていました。草木染めは妻の歩美さんが行っています。
グレーの染料として使われていたのは「柘榴(ザクロ)」です。大きな鍋の底にはザクロの実が沈み、甘酸っぱい香りの湯気が立ち込めています。
「フロストコットンプルオーバー」や「シャドウチェック」のイエローやピンクは、複数の素材を掛け合わせます。
「イエローは 柘榴(ザクロ)とマリーゴールド、ピンクは 茜とおひるぎを組み合わせ調合し、同時に鍋で煮出して染液を作っています。」
一着ずつ、ひと針の重なりまで、揉み込んで染める
驚いたのは、手作業でたくさん手間をかけて染めてくださっていること。
「パンツのウエストのゴムが入っている部分」や「ポケット」「ファスナー部分」など、縫い代や生地が重なり厚みがある部分は、どうしても色が入りにくいもの。歩美さんは、その一箇所一箇所を指先で擦り、染料を奥まで染み込ませていきます。
「フロストコットンプルオーバー」や「シャドウチェック」は、イエローとピンクは2〜3回、
「染めている最中は、半分瞑想状態なんです」
そう微笑む歩美さん。あたたかな染色液に触れ、陽の光を浴びながら、一着一着と対話するように3度も染めを繰り返す。単なる作業ではなく、祈りにも似た時間が、ムラのない美しい色を生み出していました。
「素材に合わせてどのように染料を選定されたのでしょうか?」
歩美さん「フロストコットンに関しては、鉄媒染は使用しておらず、
「特別なこと」ではなく「自然な選択肢」へ
ザクロの染色液は、最初は透き通ったオレンジ茶色。それが「媒染(ばいせん)」と呼ばれる、金属と反応させて色を定着・変化させる工程で鉄分を含む液体に浸されると、魔法のように落ち着いたグレーへと変化します。
乾く前と後では色の見え方が全く異なるため、事前のスワッチ(色見本)作りから、染め上げ、乾燥、再調整まで、一人の手で膨大な時間が費やされています。
プリスティンの製品は、在庫をたくさん作らず、オーダーをいただいた分だけをお作りしています。展示会用のサンプルを作った時と、実際の量産時では、気温も湿度も異なります。そのため、その季節の条件に合わせて「今なら何回染めるのがベストか」を、改めて何度もスワッチを染めて微調整を重ねてくださるのです。
「ちなみにオーガニックコットンと一般的な綿とで、染め上がりに違いはありますか。」
歩美さん「オーガニックコットンであること自体が直接の要因かは一概には言えず、織りや加工の違いにも影響されると思いますが、実際の染めの工程においては、発色の良さや仕上がりの風合いの面で、一般的な綿と比べて良い印象があります。植物染料との相性もよく、繊維と色素がしっかり結びついているような感覚があります。」
そこまでしても、私たちは草木で染めたい。
そこまでして、なぜ草木染めなのか。
「草木染めや染め直しが、もっと当たり前の世の中になってほしい。特別なことではなく、自然な選択肢の一つになってほしいんです」
独学で草木染めを始めた歩美さんは、植物の持つ効能や、自ら肌で感じた植物の力に魅せられ、今の道にたどり着いたと言います。
WUYさんの「自然の摂理にそって環境に優しい素材を使用する」「染め直しを行う」という思いは、まさにプリスティンのものづくりの考え方と通ずる部分です。
オーガニックコットンを無染色で、素材の健やかさを活かしつつ、暮らしや季節に寄り添うときに、「植物の力を借りて、より豊かな表現ができるのなら」。そんな願いから、藍染を皮切りに探求が始まったのがプリスティンの草木染めシリーズです。
草木染めは、工業的な数値ではなく、人の手と感覚あってこその表現。今回WUYさんを訪ねて、その一着には作り手の柔らかなお人柄までもが宿るのだと、改めて実感することができました。
「染色のお仕事の中で、
歩美さん「新しい発見や出逢いの瞬間です。植物や素材と向き合う中で、思いがけない色が現れたり、
生まれた時も、最期の時も、豊かな色で
取材の最後、私たちは「色」と「命」について語り合いました。産後ケアの話題から、ある想いが重なります。
「生まれた時も、そして人生を締めくくる最期の時も。優しいものに、豊かな色に包まれていたいよね」
今回の訪問では、プリスティンの製品づくり以外にも、草木染めの可能性を広げる新しい取り組みについても相談させていただきました。たとえば、産後ケア施設でママたちが纏うネグリジェの寿命を伸ばすこと。母乳などで色が変わってしまった部分を「染め直す」ことで、思い出とともに、より長く愛用していただけるように。
(こちらの写真は、その対話の中から生まれた試作品です。染め替えることでシミが気にならなくなり、華やかなピンク色に!これも染めムラが出ないように一着一着、丁寧に染めてくださるWUYさんの心を感じました)
それは、プリスティンが大切にしている「暮らしに寄り添う」というフィロソフィーそのものでした。
プリスティンの製品を手に取ってくださったお客様へ向けて、
歩美さん「草木染めならではの、色が持つやさしさや安心感、
自然の摂理に沿ってものづくりをすることで、ただ「色がつく」という現象を超えた、目に見えない価値が生まれます。
素敵な工房とお二人の空気感、そして植物のエネルギーが宿った一着。みなさまの日常の中で、その心地よいものづくりの重なりをぜひお楽しみください。
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