ものづくりストーリー

シール織り生地ができるまで

うっとりする肌触り。シール織りに込められた技術

プリスティンのロングセラー「ブラウンチェック」「市松格子」の生地ができるまでを取材しました。

すべてのものには生まれてきたストーリーがあります。

みなさまの手元に届くまでに辿ってきたものづくりの様子を、少し覗いてみませんか。

ブラウンチェック・市松格子生地とは

一般的な毛布といえば、起毛をしたものが主流。

ふわふわの質感は出るものの、ブラッシングによって生地にはダメージを与えます。そのダメージは長く使ううちにへたりやすさ、遊び毛を発生させます。

同じふわふわの質感でもシール織は起毛を施さないので、ダメージが少なく遊び毛も少なくなります。

赤ちゃんはお母さんをはじめはにおいをもとに探すと言われている大切な時期に遊び毛が舞わないように、という思いから、赤ちゃんにもママにも安心して使ってもらえるためにプリスティンでは綿毛布やケットをシール織で作っているのです。

和歌山県高野口へ

訪れたのは、和歌山県伊都郡かつらぎ町。高野口は1200年ほど前、弘法大師が開いた真言密教の修行場、高野山への登山口として栄えた町です。それと同時に、江戸時代は木綿織物、明治時代にはパイル織物の生産地として広く知られていました。

高野口地区だけで作られている特別な生地、シール織り

「整経」パイルと経糸を準備します。

巻き付けた糸は織機に移動出来るように「ビーム」と呼ばれるドラム状のものに巻き取ります。

「糸抜き」シール織りならではの工程。

織りあがった生地の緯糸を手で抜き取る作業を「糸抜き」といいます。この作業によって、パイルを裏面にも引っ張り出すことができるのです。

「洗い」丁寧に丁寧にお湯で洗う。

ここまで様々な工程を経てきた生地は、思わぬ汚れがついてしまったりするもの。また、綿本来の気持ち良さを残しているプリスティンのオーガニックコットンだからこそ綿がそもそも持っているアクや綿毛がまだ残っています。

ここでは80度のお湯で30分、洗いをかけます。通常の綿製品においては、より短く確実に汚れを落とすために洗浄力の高い薬剤を使用しますが、そういったものも使いません。

時間をかけてお湯だけで丁寧に洗います。

そして最終工程へ。「毛割り」

最後はそれぞれのサイズに裁断。縫製で完成です。

長い反物状の織物を裁断して、毛布にはヘム巻きを、ひざ掛けやバギー用ケットはかがりミシンをかけます。もちろん巻き布もオーガニックコットンです。

ずっとずっとこの技術が継承されるように

「ご存知の通り繊維製品は、織・編・加工すべて機械を使いますが細やかな調整等は職人により左右されます。

だから、調整次第では全く違った風合いになることもあり、繊維製品の難しさでもありやりがいでもあります。

高野口産地でもこの技術の伝承が課題となっています。それでも何とか産地が一つになって乗り越えていきます」

そう、松岡社長は私達に話してくれました。

取材に伺った日は7月中旬。

工場の中は40度近い暑さと高い湿度で、写真を撮っているだけでクラクラするほど。

みなさん汗を流しながら真剣な眼差しで生地と向き合う姿にただただ頭の下がる思いでした。

コットンそのもののふわふわとした気持ちよさをぜひ体感してください。

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