Re-COTTONペーパーができるまで

しあわせの循環、再生木綿紙
2030年までに「ゼロ・ウェイスト」にすることを目指し進めているRe-COTTON(リコットン)プロジェクト。2019年からは、天塩に掛けて育てたオーガニックコットンを最後まで使い切るという精神のもと、ものづくりの過程で出る「残糸」や「残布」を使い再生木綿紙を作っています。
リコットンペーパー(再生木綿紙)の特徴

プリスティンの製品タグをはじめ、運営会社である株式会社アバンティのスタッフの名刺としても使われています。素朴でふわっっとコットンの風合いが残る特別な紙です。そしてプリスティンの店舗で使っているトルソーまでもこのリコットンペーパーと生地を使って作っているんですよ。
ものづくりの過程で出る、残布・残糸を使う。
こちらはパジャマを作るためにパターン裁断しているところです。プリスティン製品をつくる工程で出る、生地の裁ち落としや、生地を作る幡屋さんからの残糸を各工場さんから回収したのち、山陽製紙さんとは別工場のシュレッダーのような機械で細かく粉砕していきます。

他にもみなさんがお店に持ってきてくださった回収品も再利用し、そこに牛乳パック由来の再生パルプを混ぜ合わせて作られます。

大阪府阪南市へ
リコットンペーパーは、大阪府阪南市の「山陽製紙」さんで作られています。河川も近くにあり、昔から紡績をはじめ繊維の産地として栄えた地域です。

リコットンペーパーができあがるまでの様子を見に行きましょう

原料を粉砕する
原料となる残布を粉砕します。その細かさは、なんと3ミリ以下になります。まるで小麦粉のような、言われないともう生地とはわからない細かさになりました。

水と混ぜて液状に
1つ目の釜で、粉砕したリコットンと再生パルプに水を投入して混合させたのちに、2つ目の深さ3メートル、直径1.5mの大きさの釜でしっかりと撹拌していきます。撹拌させた原料は、1階から2階の機械に水圧をかけて移動し、不純物を除去します。より純度を高めていくために、3度手間の作業で除塵をしてきます。

まだドロドロした原料ですが、ここから少しずつ紙らしく変化していきます。白濁しているのもあり、この状態はまるで日本酒ができるまでの醸造工程のイメージも湧いてきます。

原料を濾して、紙を形成していきます。
和紙づくりを体験されたことのある方もいらっしゃるでしょうか。まさにあの手作業での和紙づくりをそのまま機械に置きかえたような、機械式和紙という方法で紙づくりをしていきます。リサイクルペーパーに特化した工場の、高い技術によって出来上がります。

だんだんと紙に近づいてきました
時間をかけてゆっくり丁寧に紙を漉くので、風合いのある表情に仕上がります。

紙を形成したあとに乾燥させるドライヤー工程を経て、見上げるほど大きな機械で、紙を巻き上げていきます。オーガニックコットンの裁ち落としの生地が、あらたにリコットンペーパーとして生まれ変わった瞬間に立ち会うことのできた私たちスタッフは、歓声をあげて喜ぶほどの感動を味わいました!

紙一枚にもうまれる個性。太陽のそばかすがここにも!
出来上がったリコットンペーパーは、まるで手漉きをしたような手触り。なんてあたたかみのある紙なんだろうか、と手にすると感動します。透かして覗けば、なんとここにも「太陽のそばかす」があります!
糸にする段階で除ききれなかった綿花の葉や茎の残りである斑点。色を染めないからこそ残るそばかすは、太陽をたっぷり浴びて育ったオーガニックコットンの証でもあります。均一ではなく、表面にむら感があり、それぞれに個性ある味わいを感じることができますよ。

三代目の原田六次郎社長と夫人の千秋専務とのおしどり経営で、家族的な会社を率いてらっしゃいます。デジタルシフトも進み、ペーパーレス化の風潮もあるなか、アップサイクルをコンセプトに、より価値あるものづくりにチャレンジし続けている山陽製紙さん。私たちも同じくものづくりに携わり、つくる責任のある立場として、刺激的な学びのある取材となりました。