コットンボール柄の六重ガーゼができるまで
ガーゼをふっくら六層に重ね、コットンボールの柄で織る。
今回は「コットンボールガーゼシリーズ」の生地ができるまでを取材しました。
すべてのものには生まれてきたストーリーがあります。みなさまの手元に届くまでに辿ってきたものづくりの様子を、少し覗いてみませんか。
コットンボール柄ガーゼとは
まるで収穫の時期を迎えたコットンフィールドのような、可愛らしいコットンボール柄。
柄を作りながら生地を織ることができる、ジャカード織機で作られたガーゼです。プリント生地とは異なり、生地そのものに柄が織り込まれているので、立体感や高級感があります。
山形県米沢市へ
歴史の深い、米沢産地にある工場で作られています。
1932年創業 山形県米沢市で90年以上続く、株式会社ソトージェイテック 佐隆事業部。工場があるのは、戦国時代の名将・上杉謙信公をお祀りしている上杉神社の近く。伊達政宗や直江兼続など名だたる武将に由縁のある歴史的な土地です。

江戸時代には、武士の奥方に内職として機織技術を習得させたことから産業として発展し、上杉神社を囲むように機屋が多くならぶ織物産地となりました。

複雑で高難度な、ジャカード織機が得意。
上品な風合いで、複雑な柄を表現できるジャカード織。手の込んだ挑戦的な生地を手がけることが多いそうです。

では、織機を見てみましょう!
驚くほどたくさんの糸が、精密に動き合い、柄を作っています。上品で繊細な柄を織りながら、ふくよかな風合いで高級感を持たせます。
丁寧に手間をかける、ジャカード織の難しさ。
ジャカード織機は、職人が交代しながら24時間体制で動いています。
今回の生地を担当してくださった漆山さんは、プリスティンらしい柔らかな風合いを出すことが難しく、本番までに月日がかかったこだわりの品番だと話してくださいました。

一般的なジャガードを織るときは経糸に力がかかりやすいため、糸を2本まとめて経糸にかける事がほとんどのところ、プリスティンのコットンボールガーゼは経糸を1本で作る設計で、より柔らかな風合いを出してくださいました。
無染色のオーガニックコットンのしっとり、健やかな風合いを活かしつつ上品なジャカード織りに仕上がっています。

取材に伺った日、30分くらいこの場にいましたが3回ほど糸が切れて、そのたびに織機を止めてつなぐ作業がありました。
その時々の糸自体の出来や、経糸の糊付けの加減がとても重要で、糸の出来がどうだったかは実際に機械が走り出してからでないとわからないそうです。

湿度も管理して、糸を最善の状態でかける。
工場内はこのように大きな加湿器を使いながら湿度管理がなされ、糸が最善の状態で仕上がる環境になっています

生地の両端は、リコットンとして再生させます。
ちなみに生地の両端は、このように可愛らしい動きのカッターで整えていきます。切り離した部分も、手塩にかけて育てられたオーガニックコットン。大切に回収して、またRe-COTTONとして再生木綿紙やリコットン生地として蘇ります。
(動画ではチョキチョキと可愛らしい音をたてながらカットする織機の様子をご覧いただけます)

職人の勘がたより

ジャガード織機で作られるコットンボール柄ガーゼの生地は、織るまでにもたくさんの微調整を繰り返し、まさに職人の勘がたよりな生地なのです。
複雑なジャカード織機の音と動きや、丁寧にこだわって織り進めるものづくりの様子をお届けいたしました。米沢よりお届けする贅沢な六重のガーゼ。ぜひこの秋冬に包まれてみませんか。