ものづくりストーリー

ウールも洗える 竹の洗濯水ができるまで

毎日使うものだから。本当に気持ちの良いお洗濯を

オーガニックコットンはもちろんのことウールやヤク、カシミヤなどの動物性繊維や

麻といった天然繊維も洗える「竹の洗濯水」ができるまでを取材しました。

すべてのものには生まれてきたストーリーがあります。

みなさまの手元に届くまでに辿ってきたものづくりの様子を、少し覗いてみませんか。

竹の洗濯水とは

ヤクやウールが洗える洗剤はないの?

そんなお客様からのお声を、やっとやっとかたちにできました。

その名も「竹の洗濯水」。

合成界面活性剤不使用で、天然の竹から抽出したミネラル水を使用しているので、優しい洗浄力で繊維を痛めず洗うことができます。

熊本県菊地市へ

訪れたのは、熊本県菊池市にある「明るい農村」さん。創業者である末廣さんは13歳から炭焼き職人として炭焼きを営んでいます。

日本だけでなく、アジアの各地で貧しい人々を豊かにするために炭焼きの技術を伝承しているすごい方です。

日本各地で問題になっている、放置竹林。

環境問題や資源問題が取り沙汰されるなかで、竹は成長が早く原料確保に困ることはない、さらに放置竹林(竹害)といって、竹の管理が行き届かず山の広い範囲で土砂災害を引き起こす危険があると、問題になっていることをご存知ですか?

末廣さんたちの活動は、まずは竹の伐採から。「竹を切ってほしい」というお声がかかると現地に赴き、竹を伐採します。

2~3年の歳月をかけてアク抜きをする

伐採した竹はすぐには使えません。青竹はアクが多いので、寝かせることでアク抜きをします。その時なんと2~3年。あまりの長さに驚きました。

炭釜に竹を詰め込みます。

釜の中に竹の節を取り除き、均一にした竹を敷き詰めていきます。まだ火入れをしていないのに、蒸し暑さでどんどん汗が出てきます。

いよいよ火入れ。炭化させていきます。

窯に火を入れて3日、炭火させていきます。

この間は2時間ごとに温度をはかり、窯の様子を見なければなりません。

職人さんたちは、煙を見ながら、匂いを感じながら、気温、湿度を見ながら焼く温度を調節しているそうです。根気のいる工程に頭が下がります。

炭化した竹炭からミネラル分を抽出。

できあがった竹炭からミネラル分を抽出するために、熊本県阿蘇の湧き水に竹炭と竹炭灰を浸漬させ、専用の機械で煮沸し、ミネラル分を抽出します。

外から専用の容器を触ると、ほのかにあたたかかったです。

煮沸→冷却→濾過…ようやく完成!

煮沸してできあがった竹炭液・竹炭灰液を冷却し、ろ過器でろ過してようやく完成です!

「竹の洗濯水」は無色透明で、匂いもほぼありません。

なぜプリスティンが「竹」を洗濯水に選んだのか

竹は、暮らしの中に多用されていました。炭は、燃料に利用されていました。石油から便利で安価なプラスティック製品がつくられ、釜戸で炊事をすることもなくなった現代社会では、竹が使われなくなり、放置された竹林が生態系を壊す原因にもなりました。

釜戸で炊事をしていた頃は、釜戸の灰で、汚れを落としていました。ふたたび、先人の知恵を活かして、合成洗剤に頼ることなく、石けんよりもさらに環境に負荷をかけない自然な洗濯水として竹炭を活用することができるとプリスティンでは考えています。

材料が竹だけだから、洗濯したあとの洋服も気持ちよくて、生活排水として流れる水も環境にとっても影響が少ないです。


人にも環境にもやさしい。それこそがサスティナブルだと思いませんか?

プリスティンの製品どれを取っても、ひとつとして日本の職人なしでは成り立たないことが取材に行くたびにひしひしと感じます。

末廣さんは、何度もインフラの整っていない貧しい国に赴き、炭焼きの指導を現在もしています。「子どもが笑顔になる瞬間が嬉しい。」そんな末廣さんの焼いた竹炭で作られる洗濯水。洗い上がりの洗濯物が、さらに気持ちよく感じられる、逸品です。 

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