フロストコットンができるまで
天然繊維で「接触冷感」!?技術で未来を拓く、和歌山のニッター
日本の夏になくてはならない「フロストコットン」の生地ができるまでを取材しました。
すべてのものには生まれてきたストーリーがあります。
みなさまの手元に届くまでに辿ってきたものづくりの様子を、少し覗いてみませんか。
フロストコットンとは
強撚糸で編みあげた、さらさらタッチのフライスで作ったプリスティンの夏の素材。
リニューアルしてより快適な着心地になったタンクトップに5分丈ボトム・6分丈ボトム まで、さまざまなアイテムをご用意しています。

和歌山県和歌山市へ
訪れたのは、丸編みの産地和歌山。コメチウさんはプリスティンでは薄手のインナー類をお願いすることの多い工場さんです。
丸編みが産地として栄えた背景には、高度経済成長期に、和歌山を丸編みの産地にするという国の政策があったからだそう。

編み立ての様子を見に行きましょう

小寸の丸編み機に特化したコメチウさん。工場の中には約330台の編み機がある。種類は約30種類ほどだが、1台の機械の調整で4~5種類の編み方ができ、編み物のバリエーションは100種類を超えるそう。
フロストコットン、なぜ涼しいのか。
着ている方が涼しい、オーガニックコットンの接触冷感インナー。その秘密は糸の「撚り」にあり。細番手かつハイゲージの糸を使うことで、さらりとした肌触りで且つ肌離れの良さを生み出します。

生地づくりは機械が冷えない夏。暑さとの勝負です。
強い撚りの糸がゆえ、そのまま糸をたてるのではなくテグスを張って数回巻き付けることで撚り戻りを防いでいるとのこと。また、糸には天然由来のオイルをコーティングし、機械が冷えない時期である夏に生地を仕込みます。

涼しさと気持ちよさの両立。
機械の細かい調整から、オリジナルの部品を作ったり改造したりして、材料のロスを最小限にしつつも耐久性の良い生地づくりを実現しています。

糸切れさせないよう、ゆっくりゆっくりと編み立てる
「今 和歌山で自分より技術に詳しい人はいない」
南方社長は社長でありながら、常に現場で職人として糸を触り、機械を調整している技術者でもありました。難しいお客さんからの要望を聞く。
「それに応えていかないと自分の技術も磨かれない。」
実直で、その心の内に秘めるものづくりへの熱い気持ちを、言葉の端々からビシビシと感じました。

長く愛される製品の背景には、”私たちが毎日使う姿”までを考えてものづくりをしてくださっている職人さんたちの思いがあります。
化学的な処理を施さず、天然繊維と職人の技術だけで生み出される接触冷感。一度着たら、汗ばむ季節に欠かせない相棒になること間違いなしです。